ペース
 ペースとは

ペースとは ペース・メーカーの利用者には事実を伝えるべきだ:ITpro

最近読者から,「電磁波の人体への影響について調べてほしい」という要望のメールが日経バイト編集部に寄せられるようになった。


【参考サイト名】 ペース・メーカーの利用者には事実を伝えるべきだ:ITpro

最近読者から,「電磁波の人体への影響について調べてほしい」という要望のメールが日経バイト編集部に寄せられるようになった。
筆者も個人的に携帯電話の電磁波影響には興味を持っていた。自宅の隣のマンション屋上に,いきなり携帯電話の基地局ができたからだ。寝室の窓を開けるとアンテナがすぐ近くに見える。総務省や携帯電話事業者の「安全基準にのっとって設置しているので大丈夫」という説明を聞いても不安は拭いきれない。
そこで携帯電話などが発する電磁波の影響について,どこまで何が分かっているかを調べてみることにした。機器と人体の両方に関して,電磁波がどのような影響を及ぼし得るか,多くの研究者から話を聞いた。詳細は日経バイト2002年9月号特集「電磁波影響の研究」に譲るとして,取材を進めていくなかで考えさせられたことがあったので,ここで私見を述べたいと思う。ペース・メーカーに対する携帯電話,PHSの電波の影響である。
電車内で携帯電話の利用自粛を求めるアナウンスは定着した感がある。この自粛要請が徹底されているのは,周りの乗客への迷惑だけでなく,満員電車内で携帯電話を利用するとペース・メーカー利用者に悪影響を与えるという問題があるからだ。このあたりは,よく知られていることだろう。
筆者は電車内で携帯電話を利用したことで,ペース・メーカー利用者がトラブルに巻き込まれたという話を聞いたことがなかった。そこで厚生労働省やJR東日本,ペース・メーカーの開発元に尋ねてみた。回答は「問題が起こった事例はない」というものだった。
ただし,ペース・メーカーを装着している利用者の立場に立つと携帯電話が大きな不安要素であることは紛れもない事実である。誤動作するという試験結果が出ているからだ。
総務省や厚生労働省,メーカー,携帯電話事業者などは2000年から2002年にかけて共同で「電波の医用機器等への影響に関する調査結果」という調査作業に取り組んでいる。7年前に不要電波問題対策協議会(現電波環境協議会)が1回目の調査を行って以来2度目の大規模な調査である。対象となったペース・メーカーは124機種である。
もっとも普及している800MHz帯を使うPDC方式の携帯電話端末で試験した場合,誤動作したペース・メーカーは124機種のうち8機種だった。実験時のペース・メーカーと携帯電話の距離は5cmである。この距離を10cmまで広げるとその数は2機種に減り,さらに15cmまで離すと1機種だけになった。そして15cm以上の距離で誤動作した機種はなかった。調査結果によって得られた「15cm」という境界となる距離に安全係数の√2をかけた「22cm」が,携帯電話とペース・メーカーの間の“安全な距離”の指針とされている。
このように携帯電話をペース・メーカーの近くで利用すると,特定のペース・メーカーでは誤動作が生ずることは確認されている。だが,どの機種で誤動作が生じたかという情報だけでなく,調査対象の機種名もメーカー名も明らかにされていない。「公開することによって調査に参加しなくなるメーカーが出てくる可能性がある。また,利用者に余計な不安を与えたり,逆に安心して近づけすぎて問題が起こらないとも限らない。22cmの指針を守ってほしい」(厚生労働省医薬局安全対策課)という。
確かに,これらの情報を公開することによるデメリットはあるのだろう。だが,これからのことを考えると,利用者が望むなら,自分が使っている機種の実験データを入手できるようにするべきではないだろうか。
筆者がそう考えるのは,ペース・メーカーに影響を与える電磁波の発生源がどんどん増え続けることが予想されるからだ。例えば,万引きを防止するため店の入り口に設置したゲートが出す電磁波が,ペース・メーカーを誤動作させてしまうという報告が出始めている。また,強力な磁石で牌をそろえる全自動麻雀卓も誤動作を引き起こすことがあるという。

 

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