少なくとは 介護を変える“孫力”…「しがらみ少なく冷静になれる」(産経新聞)
社会の高齢化が進むなか、親に代わって、祖父母の介護に関心を持つ孫世代がいる。「嫁しゅうとめのような感情的なしこりがない」「親よりも祖父母の“老い”を冷静に受け止められる」と彼らはいう。孫の活躍で、家族介護のあり方が変わる可能性はあるのだろうか。(村島有紀)
【参考サイト名】 介護を変える“孫力”…「しがらみ少なく冷静になれる」(産経新聞) - Yahoo!ニュース
|
社会の高齢化が進むなか、親に代わって、祖父母の介護に関心を持つ孫世代がいる。「嫁しゅうとめのような感情的なしこりがない」「親よりも祖父母の“老い”を冷静に受け止められる」と彼らはいう。孫の活躍で、家族介護のあり方が変わる可能性はあるのだろうか。(村島有紀) ◇ 介護サービス事業者「東電パートナーズ」(東京都中央区)で働く介護福祉士、福住尚将さん(29)が、介護の仕事に本格的に興味を持ったのは大学生のころ。同居していた祖母が軽い認知症になったのがきっかけだった。おしゃれでいつもシャンとしていた祖母が、80歳を過ぎて自分のことを父の名である「テルオ、テルオ」と呼び始め、夜中に起き出しては「スマップがくるから」と5人分のショウガ焼きを作っていた。 祖母の状態を受け入れられず、オロオロする両親を横目に、養護学校の教師になりたくて福祉を学んでいた福住さんは、真剣に介護の勉強に取り組み、認知症の進行を遅らせるための療法を祖母に試すなど、積極的にかかわった。 「自分が小さい時に、おいしいそうめんを作ってくれたり、デパートに連れて行ってくれたりした祖母が認知症になり悲しかった。でも父親は、僕以上に祖母の状態を受容できない。孫である自分の方が冷静に判断できたし、家族の役に立てたと思う」と振り返る。 ◇ 平成16年に芥川賞を受賞したモブ・ノリオの小説『介護入門』は、29歳で無職、自称「音楽家」の男性が、母親と一緒に寝たきりの祖母を自宅で介護するという小説。麻薬にふけりつつ介護に向き合うという物語は小説の中だけの話としても、孫が主たる介護者を支えながら、介護に携わるケースは珍しくないようだ。 介護サービス事業者大手の「ニチイ学館」によると、ホームヘルパー2級講座を受けるのは、20代、30代が中心。これまでに70万人が受講したが、職業として資格を活用しているのは1割にすぎず、「家庭介護のため」が多い。広報担当者の飯田祥一さんは「将来、家族の介護が必要になったときのため、という人のほか、祖父母の介護のためという人が多いです」と話す。 都内の女性(29)は大学生の時、入退院を繰り返していた末期がんの祖父を祖母と一緒に介護した。 彼女は「息子である父は、落ちついて自分の父親をみていられない。母は嫁しゅうとめ、嫁しゅうとの確執があってうまくいかない。祖父母は私のいうことなら聞いてくれた。孫は親よりもしがらみが少ない分だけ、割り切って地域の介護サービスを頼んだり、選んだりもできる。孫が介護にもっと積極的にかかわっていけば、介護のあり方も変わってくるのかもしれない」と指摘する。 ◇ 介護の知識を孫世代に広める試みも始まっている。福住さんは先月、東京都渋谷区でNPO法人「シブヤ大学」主催の福祉講座の講師を務めた。受講生は20代、30代の若者約20人。 福住さんは、目が見えにくくなる視野狭窄(きょうさく)や、耳が悪くなり、「こんにちは」が「おんいいあ」の母音でしか聞けなくなる老人性難聴の特徴、車椅子(いす)で町を移動する怖さなどを説明。 「介護される人は、これまでの自分の人生、これからどう生きていきたいかというその気持ちをきちんと理解し、受け止められる人から、介護されたいと思っている」と熱く語り、参加者からは「介護が身近に感じられた」「心構えができ、良かった」などの感想が寄せられた。 福住さんは「思った以上に熱心に聞いてくれてうれしかった。マンパワーとして孫の力は期待できます。介護のプロを選ぶ目を持つこと、そして自分で介護する際にも、ちょっとしたコツを知っていたら、ぐんと楽にできます」と話していた。【関連記事】・ 高齢者医療制度 1年後に抜本改革案 自公、65〜74歳負担見直し
|
戻る
|